REVIEW
【3×3 DISCS】
Hidden Figures Soundtrack
Various

抑圧され、立ち上がった女性たち

肉体的なリズムや音を楽曲に持ち込むことを得意としているファレル・ウィリアムスではあるが、ここに来て女性に着目をした作品作りを行っている。
本作は、全曲書き下ろしとプロデュースを行った映画「Hidden Figures」(邦題:ドリーム、2016年アメリカ制作、2017年公開)のサウンドトラック。映画のテーマが黒人女性数学者の知られざる全米初の有人宇宙飛行への貢献ということで、彼女たちの葛藤と意志の強さ、そして成功を、ゴスペルやR&B、黒人の肉厚的なボーカルや躍動感あるリズム、そしてストレートな歌詞で彩る。ファレル自身が彼女たちの気持ちになりきって歌った「Runnin’」は、当時NSAで起こっていた黒人女性の不当な扱いを自明の下にしている。

 

他方、ファレルがプロデューサーとして参加したジャスティン・ティンバレイクの『Man of the Woods』の1曲、”Supplies”のMVは、ジャスティンが見ているモニターには「Me too」が映し出され、かつ、女性が活躍するストーリーとなっている。これは、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラに対する告発を発端として、女性の権利や人権に対する世界的な動きとなった「Me too」を示し、女性たちが世界をより良い方向に導こうとしている姿のように見受けられる。
両者に共通しているテーマである女性たち。ファレルとジャスティンは、強いものがより強く権力を発する時代に、力のある弱者がやがて、強者を脅かす存在になることを示唆している。

第一回 :Justin Timberlake - Man Of The Woods

選定者:ki-ft

The Velvet Rope「Got 'til It's Gone」 - Janet Jackson
Purple Rain - Prince
24K Magic - Bruno Mars
Musical Massage - Leon Ware
Justin Timberlake - Man Of The Woods
Down To Earth Soundtrack (SNOOP DOGG「Gin and juice」) - Various
Traveller - Chris Stapleton
Hidden Figures Soundtrack - Various
Wanderlust - Little Big Town

その他のレビューも見る

WRITER

RECENT POST

REVIEW
【3×3 DISCS】Julien Baker – TURN OUT THE LIGHT…

LATEST POSTS

INTERVIEW
ただ“おもろい”と思うことをやっていたら、いろんな「無い!!」に気づいた〈トマソンスタジオ〉インタビュー

特集『言葉の力』の企画として本記事では、自らの思想をどのようにして言葉に乗せ発信してきたのかを探る。…

REVIEW
ザ・ディランⅡ

きのうの思い出に別れをつげるんだもの(1972年)

INTERVIEW
どうやって作られているか知るために現場を開く。建築集団「々」野崎将太 インタビュー

COLUMN
【Dig! Dug! Asia!】Vol.6 後編:ジャンルを融合させるパキスタンアーティストたち

「台湾のシーンが熱い」と透明雑誌が日本のインディーシーンを騒がせて、早くも10年近くになるだろうか。…

COLUMN
【Dig! Dug! Asia!】Vol.6 前編:パキスタンの「文化の床」Coke Studio Pakistan

パキスタンの音楽的背景と、その再興に挑み続けるテレビ番組 CokeStudioについて。