INTERVIEW

学生映画って何?! 京都国際学生映画祭×関西学生映画祭 関係者に聞く!

みなさんはどんな映画が好きですか?

いろんな映画があります。いろんなジャンルがあります。アンテナ読者の皆様ともなればたくさんの映画をご覧になっているかと存じます。でも「学生映画」をご覧になったことがある人は少ないのではないでしょうか。

学生映画って普通の映画と何が違うの?どんな魅力があるの?そんな疑問を解消すべく、今回アンテナは京都国際学生映画祭と関西学生映画祭を取材しました。

iPhoneでも映画が作れる時代だからこそ、観客がクリエイターになる瞬間を作りたい

<京都国際学生映画祭 会議の様子>
――

まずは自己紹介をお願いします。

高橋

京都国際学生映画祭 実行委員会 広報の高橋朋子です。神戸大学の経営学部に在学中です。

川合

関西学院大学文学部4年の川合裕之です。去年、一昨年と関西学生映画祭の副委員長を務めていました。映画ライターとしても活動中で、最近アンテナに加入しました。

――

まず最初に聞きたいんですが、映画祭はサークルみたいなものなんでしょうか?どのように2人が学生映画祭に出会ったのかお聞きしたいです。

高橋

元々大学で広告研究会に入っていて、映画が好きで映画系のサークルを探していたんですけど、映画そのものを作るということに興味があまりないことに気付いて映画サークルには入りませんでした。

でも映画サークルを探していく中で京都国際学生映画祭を見つけたんです。インカレみたいな感じでしょうか。ここなら映画広報どちらにも関われると思って参加を決めました。学部でもマーケティングの勉強をしていましたし「どうやって映画を盛り上げようか?」ということを考えられるかなと。

川合

こちらもインカレのようなものなのですが、ウチは映画祭実行委員と大学の映画部・映画サークルとを掛け持ちするパターンが多いです。僕も関学の映画サークルに所属していて、それを通じて映画祭を知りました。最初は観客として足を運んで、次の年から実行委員として参加という流れです。

――

僕自身学生映画祭について全然知識がないんです。お二人に会ってから、その存在を知ったんですが、今日はそれを聞きたいなと思って。そもそも学生映画祭ってどんなイベントですか?

川合

普通の映画祭とやっていることは変わりません。作品を集めて、上映する。良いものがあれば賞を取る……かもしれない。それが学生の作った映画に限定されているだけです。

他の学生映画祭との違いにフォーカスを当てて話をすると、京都国際学生映画祭、東京学生映画祭などの大きな映画祭は審査員が付いているんですよ。でも関西学生映画祭はそういう方には頼らないで、学生が作ったものを学生が”良い”と背中を押すような場を作ることを目指しています。もちろんどちらもある程度は学生スタッフが関わるとは思うのですが、関西学生映画祭では全てのフローを学生が担当しています。

――

では審査はどのように行っているんでしょうか?

川合

実行委員による審査というものは基本的にはなくて、当日のアンケートにより決まる”観客賞”のみを設けています。そうしたライブ感が売りです。ライブ感で言うともう一つアピールしたいのがトークセッションですね。僕らも京都国際学生映画祭さんと同様に出品料などは頂きませんし、学生であれば誰が出しても構いませんが。ただし映画祭当日に出席して登壇してもらうことが条件となっていて、プログラム後にそれぞれ監督に前に出て色々お話してもらっています。

――

それはどのような意図があるんですか?

川合

iPhoneでも映像が作れる時代なので観客とクリエイターとの違い……両者のステップが低くなってきているんですね。もしかしたら今日の観客は、明日クリエイターになるかもしれない。そういうグラデーションの段階に立つ感情の高揚感を、観客の人にも感じて欲しいと思ったんです。歳の近い映像作家の作品を見て「じゃあ私も」となる瞬間が関西学生映画祭の会場のどこかで生まれないかなあと。

高橋

「観客もクリエイターに」という発想はすごく良いですね。1年間映画祭の実行委員を務めていた子が辞めちゃったんですけど、その理由がポジティブで。同世代の完成度の高い作品に感化されて漫画を描くために実行委員を辞めたんですよ。自分も絶対に漫画を完成させる、って。京都国際学生映画祭のお客さんもそんな風に思ってくれたら嬉しいですね。

目には見えにくいが、肌で感じやすい映画祭の成功

京都国際学生映画祭
――

学生映画祭と言うからには、お客さんは学生の方が多いんでしょうか?

川合

はい。監督やスタッフの身内でなくても関西の映画系サークルの学生が見に来てくれたりしています。たまにシアターセブン(会場のミニシアター)に通っているようなおじさんがチラホラ。

高橋

京都国際映画祭の観客に学生はあまり多くないです。でも本当は学生にたくさん見て欲しいなあと感じています。学生でもこれだけ出来るんだ!というのを学生にこそ感じてほしいのですが。

川合

僕も学生に見てほしいですね。映像系学部や映画系サークルに限定しない幅広い学生に。学生が作った等身大の作品ばかりなので、やはり学生に一番刺さるのではないかなと考えています。

――

映画祭の成功はどのように判断していますか?例えばライブならお客さんが付いた、CDが売れた、とか数字ではっきり分かり易いけど映画ってそうじゃないじゃないですか。

高橋

トークショーの熱量ですかね。質問が沢山出たり、お客さんの質問に監督が答えてというように双方向的に監督とお客さんがディスカッションしている空気は一体感があって良いですね。ある質問についてまた別の角度から質問が飛んできたりするとトークショーとしてはアツいですね。

川合

監督がお客さんとしても映画を見ているという前提がうちにはあるので、高橋さんの言ってくれたような形のトークの盛り上がりを毎年狙っています。でも「国際」映画祭ともなれば海外からの監督ってなかなか来れないんじゃないですか?

高橋

国内外のたくさんの監督に来てほしいので、私たちの映画祭は監督の交通費の負担と宿泊地を用意を約束しています。

川合

え、すごいですね。朝まで十三で飲んで始発で新大阪から東京に帰る監督とかに比べたら信じられない厚待遇ですね。別にこれは僕らが強いたわけでなく、勝手にその監督が好きでそうしているのですが………

高橋

でも、そういう風に作っている人が集まる場って言うのは良いですね。映画じゃなくても良いんですけど。「それどうやって撮ったの?」ってお互い聞けるじゃないですか。

川合

かもしれないです。まあ、映画祭の場で認め合った者同士で新しいチームが生まれたという例は過去にありますね。なので「場」としての機能はしっかりできていると思います。

――

では京都国際学生映画祭が他の映画祭と違う点をお聞きしてもいいでしょうか。

高橋

学生映画を集めているという点では一緒ですが、やはり「国際」と銘打って海外からも作品を集めていることですね。日本の学生と海外の学生がフラットに戦える映画祭は日本では京都国際映画祭だけだと思います。

参加国はドイツが多いですね。学校単位で卒業制作をまとめて出してくれているところがあるので。あとはインド、アメリカ、台湾も多いです。応募数は毎年だいたい500本くらいですね。ちなみに昨年は43の国地域から539作品の応募がありました。

川合

それ、全部見るんですよね?当たり前ですけど……

高橋

はい。一通りある程度の審査を私たち学生スタッフが行い、最終的に審査員の方にお渡しする形になります。

 

――

大変ですね。ちなみに、高橋さんが好みに国などはありますか?

高橋

社会派でしっかりしたテーマのものが多い気がするので私はドイツの作品が好きです。個人的な感想ですが。

――

日本の学生映画にはそういう社会派テーマってあまりないんですか?

川合

人間ドラマを描いたものがよく流れている印象です。当然しっかり評価されるものは動画としての完成度も高いです。ただ作品として技術=芸術というのは間違いではないのですが、かといってハードだけでソフト面に手が回っていないものも正直あると思うんですよ。そこで関西学生映画祭では多少の粗さには目を瞑ってでも、難産して生まれたような作品に上映機会を与えて愛したいなと考えています。

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